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物流施設革新!!羽田クロノゲート

2013.11.06

羽田クロノゲートは国際化した羽田空港に隣接し、立地を活かした陸海空の「スピード輸送」と、「24時間365日稼働の付加価値機能」を一体化して提供することにより、「止めない物流」を実現するヤマトグループ最大級の物流ターミナルです。
「宅急便」という物流の革新を行ってきたヤマトグループが、新たな「物流の改革」を行う場として、物流施設のデザインも革新することが求められました。従来物流施設はマッシブな量塊とらせん状のランプといった要素で構成され、コスト優先と働き手の視点の欠乏が建築デザインを固定化し画一化してきましたが、その現状の革新こそ羽田クロノゲートのデザインテーマであったといえます。

手前がオフィスのデッキ。和の里の施設が円形に並ぶ。

ターミナルとオフィスの間のアトリウム

羽田クロノゲートはターミナル棟と対峙するオフィス棟から構成されており、オフィス棟とターミナル棟の間の空間を魅力的なアトリウムとして計画し両棟で働く人たちが出会い融合する場としています。またオフィス棟は複数入居するヤマトグループ会社の融合とインタラクションの場としても期待されています。オフィス棟は3mの深い庇で彫が深く、スケールに負けない力強い印象の外観としました。環境配慮としてアトリウムや免震層を活用した自然換気システムで空調負荷を下げ、物流エリアの中に組み込まれたエコボイドでは低層階の換気に使いながら屋上から太陽光を倉庫内に導き照明エネルギーを低減させるという今までの保管倉庫にはない計画を行っています。全体では同種無対応施設に比べ46%のCO2削減を実現しました。

施設配置図と地域貢献施設「和の里」

配置計画での革新は、物流動線の影響を受けず、地域貢献として近隣に開放される「和の里」の計画です。各種スポーツやイベントが可能な「ヤマトフォーラム」、認証保育園、カフェ&ベーカリー、宅急便センター、リングデッキ、そして羽田クロノゲートの玄関である総合受付から構成されています。いずれの棟も平面形状は円形で、壁面はプレキャストコンクリートやガラスで構成され逆円錐状に上に広がる特徴的な形状であり、これらが有機的につながり、緊張感を持って配置されるようにしました。羽田クロノゲートへの来館者は総合受付からリングデッキを経てエントランスに向かい、その経路の中で水盤や木々の向こうに、トラック動線やトラックバース、ランプなど物流施設に出会うようなシークエンスを用意しました。公園と物流施設が接点を持ち、近隣とヤマトグループが出会う場が、羽田クロノゲートです。

五十君興 (日建設計設計部門副代表)
2009年のプロポーザルからスタートし、竣工まで5年を費やしました。時間を競う物流界では異例の長さといえます。しかし地域貢献施設の在り方やオフィス棟をグループ会社職員の融合促進の空間にするなど、プロポーザルで提案した多くのことが実現できました。クライアントと新しい物流施設の在り方を熱く議論し共有できたことで竣工までぶれずにできたと思います。「物流施設の革新」と大きなことを掲げましたが、建築空間が働き方や仕事への取り組み方を変えていくきっかけになれば設計者として本望です。

河野信 (日建設計設計部門主管)
本計画は当初より通常の施設とは異なる提案が求められました。「バリュー・ネットワーキング構想」を掲げ、全く新しい物流をデザインし、時代に合った空間と時間を提供するスーパーターミナルの計画に際して、既成概念を払拭し、物流の見える化、イノベーションの促進、環境配慮、地域貢献等を実践し、更なる高みへ飛躍を図るヤマトグループの革新の為に、また、誇りを持ち働きたくなる職場環境つくりの為、日建設計の持てる技術の粋を集めた施設となっています。

塩浦政也 (日建設計設計部門主管)
「和の里」を担当しました。単に物流施設の中に付加された公園という位置づけではなく、ヤマトグループと地域との共存というミッションを本気で体現する場とすることを設計の主題におきました。他社を圧倒するインパクトのあるフォルム、地域やランドスケープとの共生、物流の最先端を想起させる表現、ターミナル全体のデザインコードの調整など様々なテーマに挑戦しました。また「和の里」の位置づけや運営にあたり、デザインマネジメントの場であるコミッティを組織し、グループの総合的なブランディングに寄与しました。

建物概要
建築主 :ヤマト運輸株式会社 敷地面積 :102,772.19m2 最高高さ :48.60m
所在地 :東京都大田区羽田旭町11-1 建築面積 :45,165.86m2 規模 :地上9 階
用途 :倉庫他 延床面積 :197,575.57m2
工期 :2010 年12 月~ 2013 年9 月

日建設計が設計を担当した物流施設のご紹介

日本生活協同組合連合会
尾道冷凍流通センター

ドギーマンハヤシ株式会社
関西ロジスティクスセンター

アルフレッサ
神奈川物流センター

近鉄エクスプレス
第4原木ターミナル

豊明デリバリーセンター

ヤマト運輸
北東京主管支店

神戸港国際流通センター
K-DIC

アジア太平洋
インポートマート “AIM”