豊洲市場の構造安全性 よくあるご質問(FAQ)

 
 
Q-1:水産仲卸売場棟4階荷捌きスペースが「厚さ1センチの床」と聞いたが、本当ですか?

全ての構造床の厚さは15cm以上あり、「厚さ1センチの構造床」の場所はありません。「防水押えコンクリートの厚さ1センチ」と「構造床の厚さ」を混同した誤解だと推測されます。



Q-2:実際にできている建物の水産仲卸売場棟4階荷捌きスペースにおいて、防水押えコンクリートの厚さは1センチなのか15センチなのか、どちらが正しいのですか?

A:防水押えコンクリートの厚さは15センチあります。



Q-3:構造計算上、水産仲卸売場棟4階荷捌きスペースの防水押えコンクリートの重量が厚さ1センチ分から15センチ分に増えても大丈夫ですか?

A:重量の変化により、地震に対して建物に必要な強度は約1%増えますが、実際の建物強度は設計条件の強度に対して7%以上の余裕があります。この余裕の中で十分吸収できるため安全です。



Q-4:床に置かれた物の荷重は、物が床に接する部分だけでその重さを支えるのですか?

A:荷重は、物が床に接している部分から一定の範囲に広がって伝わります。荷重が伝わった床全体が物の荷重を支えます。



Q-5:水産仲卸売場の床用積載荷重は700kg/m2と聞きました。700kg/m2を超える重さの水槽や冷蔵庫は置くことができないのでしょうか?

A:部分的に700kg/m2を超えるものがあっても、1店舗の売場全体に載っている重さを平均して「1平方メートルあたり700kg」を超えなければ、700kg/m2を超える重さの水槽や冷蔵庫でも置くことができます。



Q-6:水産仲卸売場の荷捌きスペースも床用積載荷重700kg/m2で大丈夫でしょうか?

A:荷捌きスペースに荷を置いたとしても540kg/m2(ターレ走行時の衝撃係数を考慮すれば570 kg/m2)であり、床用積載荷重700kg/m2より小さいので大丈夫です。
(540kg/m2、570kg/m2の荷重条件詳細は、第2回市場問題プロジェクトチーム会議資料をご参照ください。)




Q-7:水産仲卸売場をターレが走行しても建物構造は大丈夫でしょうか?

A:荷を満載したターレが密集して走行しても床にかかる重さは約570kg/m2であり、床用積載荷重700kg/m2より小さいので大丈夫です。
(570kg/m2の荷重条件詳細は、第2回市場問題プロジェクトチーム会議資料をご参照ください。)




Q-8:水産仲卸売場の荷捌きや通路の地震用積載荷重は、品物や運搬車等を十分に考慮しているのでしょうか?

A:十分に考慮しています。仮に通路部分に、1日に水産仲卸売場に入る全ての品物やターレなどの運搬車を同時に置いたとしても180kg/m2であり、通路部分の地震用積載荷重250kg/m2より小さいので安全です。
(180kg/m2の荷重条件詳細は、第2回市場問題プロジェクトチーム会議資料をご参照ください。)




Q-9:構造的には4階建ではなく5階建とみなして設計するべきではないですか?

A:構造的には、建築基準法上「〈地階〉に該当するか否かにかかわらず、振動性状として本条に規定する地震力が作用するかどうかで判断する必要がある」と『建築物の構造関係技術基準解説書』で規定されています。
一般的に地震時には、地面の揺れに比べて建物の地上部は大きく揺れ、上階に行くほど揺れは大きくなります。一方、壁が多く地震時にほとんど変形しない地下の場合は、1階の床部分の揺れは地面の揺れとほぼ同じになるため、1階より上部を地上階として設計します。
豊洲市場の基礎ピット部分は、大きな地中梁やフーチングによって、地上部分に比べて十分に頑丈にしてあり、一般の地下と同様に地震時にほとんど変形しません。そのため、1階床の揺れは地面とほぼ等しいので、1階より上部を地上階 (=4階建)として設計しています。
なお、より高度な検証方法である「モーダル・アナリシス」によって、基礎ピット部分を1つの階とみなしても、1階より上部の地震力はほとんど変わらず、基礎ピットがあっても1階をそのまま構造計算上の1階として地震力を算定することが妥当であることを確認しています。
通常の構造設計では、振動性状を詳細に検討することなく、階高の2/3以上が全て周辺地盤と接しているか、外周面が75%以上周辺地盤と接している場合には地下とみなす、との条件に基づき設計者が判断していますが、豊洲市場の基礎ピット部分はこの条件も満足しています。


*:『建築物の構造関係技術基準解説書』 監修:国土交通省国土技術政策総合研究所、国立研究開発法人建築研究所 編集協力:国土交通省住宅局建築指導課、日本建築行政会議、一般社団法人日本建築構造技術者協会 編集:一般財団法人建築行政情報センター、一般財団法人日本建築防災協会/発行:全国官報販売協同組合/設計時は2007年版、現在は2015年版



Q-10:基礎の大きさ、剛性を考慮して杭の設計を行うべきではないですか?

A:基礎の大きさ、剛性を考慮しても、杭は地震時に安全であることを確認しています。



【用語解説】
防水押えコンクリート


防水押えコンクリートは、構造床の上に防水を施す場合に、防水層の保護のために敷設するコンクリートのことで、構造体ではなく仕上げ材です。床の上に載る人や物は、梁で支えられた構造床によって支えられます。

積載荷重

積載荷重とは、人や物品など、建物の床の上に載せることのできる重さのことです。床や床を支える梁・柱・基礎などは、この重さを安全に支えられるように設計しています。積載荷重には、床用・架構用・地震用の3種類があり、通常1平方メートルあたりに加わる重量(kg)として示されます。



床用積載荷重

床用積載荷重は、床にどれだけの重さの人や物品を載せることができるかを確認するために設定する荷重であり、設計条件の一つです。物品や人が特定の床に集中した場合の安全性を確認することが主目的ですので、地震用積載荷重より大きな値となります。床用積載荷重は、建築基準法において住宅は180kg/m2以上、駐車場は550kg/m2以上などと定められています。



地震用積載荷重

地震用積載荷重は、地震に対する建物の安全性を確認するための荷重です。地震時に建物に加わる力=地震力を算出するために、建物内の人や物品の重さを想定し合計した値を用いますが、建物の中は、人や物品が集中している場所や空いている場所が混ざっています。このため、人や物品の平均的な重量を定めたのが地震用積載荷重で、床用積載荷重より小さな値になります。


以上