日本のTODを中国全土へ
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2024.09.30
2024年現在、中国では54の都市で地下鉄が開通しています。なかでも四川省の省都である成都では、2010年の1号線開通を皮切りに計14本が開通するという凄まじい勢いで地下鉄建設が進みました。その走行距離は約602kmにおよび、上海の約865km、北京の約836km、広州の約642kmに次いで中国国内第4位の長さとなり、まだまだポテンシャルを秘めているエリアといえます。
成都市西南地区最大の駅・成都東駅TOD。既存の広場の地下を改修し周辺 街区とつなぐことで、駅の利便性向上と周辺の交通渋滞改善や賑わいの創出を図る。
かつて成都での通勤はマイカーが一般的でしたが、交通渋滞が深刻化したこともあり、地下鉄利用への切り替えが進められました。地下鉄への乗り換えは不便なものが多かった中国において、乗り換えがスムーズにでき、利便性を高めるような商業施設などとの一体的な開発である「駅まち一体開発(以下、TOD)」が求められるようになります。 2019年8月27日、日建設計と中国・四川省の鉄道会社である成都軌道交通集団は、中国におけるTODの新しいビジネスモデルを構築し展開するため、合弁会社「日建設計(成都)都市設計諮詢」を設立しました。成都軌道交通集団は、国家中心都市・成都において、地下鉄を中心とする都市内交通網発展に寄与してきた企業です。さらなるTOD推進のためのパートナーとして、日建設計が選ばれました。
合弁会社日建設計(成都)都市設計諮詢の設立主旨。鉄道駅の総合的な開発プロジェクトの企画・計画などのコンサルティングを主な業務とする。日建設計設立119年目にして初の合弁会社となった。
設立の目的は、商業施設や住宅などを駅周辺に集約し、自ら複合開発を手掛けるという日本の大手私鉄のような沿線開発を行い、事業収益を地下鉄建設や運営に充てるビジネスモデルの構築です。ゆくゆくは成都のみならず、TODを中国全土に展開するという大胆なビジョンも描いています。 振り返れば、日建設計が成都に進出した2017年は、中国国内の大都市圏を中心に、地下鉄ネットワーク構想への期待が高まっていた時期でした。成都においても、東京や大阪のような充実した公共交通を基盤に高効率で快適な生活環境を創り上げた、日本の都市開発の経験や技術を積極的に吸収しようという空気がありました。成都との縁が深まったのは翌2018年のことです。「成都北駅国際コンペ」で1位を獲得したことをきっかけに、成都市政府より日本でのTOD視察案内や、開発プロセスの解説などの依頼を受けるようになりました。それらが2019年の合弁会社設立につながっています。
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中国南西部の交通の要衝・成都北駅周辺の再開発。既存のホームを通じて歩行者ネットワークを拡張し、地下と地上を結ぶ垂直のダイナミックラインをつくり上げ、利便性を高める計画。
設立後は受託実績を順調に伸ばしており、成都軌道交通集団の支援もあって現在では重慶や台州、フフホト、蘇州などでの新規業務も続々と受注しています。今後も、中国国内での社会環境の変化や、新しい都市問題と向き合いながら、より一層日本のTODの普及と実現に臨みます。
成都市の中心エリア・騾馬市駅周辺再開発。渋谷のまちづくりを参考に周辺の街区を巻き込んだ「One Luomashi Station」 実現を目指す。