NEWS

仮称)大阪新美術館公募型設計競技案

仮称)大阪新美術館 公募型設計競技 日建設計案 (画像をクリックすると設計提案書をご覧いただけます)

これからの美術館は、美術鑑賞の「館」ではなく、アートと街をつなぐ「場」となるべきだと考えました。美術館機能を満足するだけでなく、アートと街を広場によって強くつなげること、を提案しました。
二つの川に挟まれたこの得がたい敷地、真ん中には建物を「敢えて」建てず、国立国際美術館と市立科学館、新美術館の3館が仲良く向かい合う中央の広場をつくりました。一方、新美術館の展示収蔵棟は舟入遺構上部に高床式で、十分に実現可能な構造としました。展示収蔵棟の下に広がる舟入広場は、美術館の枠を超えた交流の場であり、四季折々さまざまなイベントが開催可能な場となります。この結果、高低2つのレベル差のある、土佐堀川から国際美術館と科学館、北の堂島川まで一つにつなぐ、広大なパブリックスペースを創り出しています。
通りに面した文字通りの通り抜けとなる「パッサージュ」は、アートに興味のある人もない人も等しく入りやすい、新美術館のシンボル空間のひとつです。これまでの美術館とは異なり、周囲に開かれ内外を緩やかにつなぐ場であり、魅力的なアート活動が育まれることを意図しました。また展示収蔵棟は、大阪市が所蔵する美術品の数々を想起させるに足る全方位正面の「宝石箱」のデザインです。国立国際美術館のシンボルマストと同様の金属管を多数使って、アートの持つエネルギーを発振する波動をデザインしています。上部の展示室に上る来館者にはさらに特別な体験がなされるように、「テイク・オフ・ギャラリー」と名付けたコミッションワーク作品を載せた大型のエレベータが3階の企画・テーマ展示室へ出発します。最高性能を備えた展示室と展示ロビーにはアートに集中できる空間です。堂島川に近い展示ロビーからは、眼下に広がる川のパノラミックな景観を体験できます。
この新美術館の大きな目標は、3つのミュージアム群が「強く」連携することで、世界の名だたる都市に対し肩を並べる大阪ブランドを築きあげること、です。大阪文化再生の「切り札」となるプロジェクトといっても過言ではないでしょう。私たちの提案では、大阪市がこれまで手に入れることが出来なかった種類の新しい公共空間を創り出そうと努めました。国立国際美術館と市立科学館の建設時の広域計画には北側にオープンスペースを広げていこうとする「遺志」があり、今回この場に関わる者としてこの遺志を受け継いでいこうを考えました。

残念ながら今回の設計競技では次点となりましたが、日建設計はこれからもよりよい未来に向かって挑戦的な提案を続けます。

大阪市ホームページ⇒・(仮称)大阪新美術館 公募型設計競技の結果について【講評】
          ・「(仮称)大阪新美術館」の公募型設計競技において最優秀案を決定しました [2017年2月9日]
           (他の案も確認できます。)

share

当サイトでは、クッキー(Cookie)を使用しています。このウェブサイトを引き続き使用することにより、お客様はクッキーの使用に同意するものとします。Our policy.