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世界に誇る緑の眺望と華やいだ空間が奏でる上質なホスピタリティ~東京ミッドタウン日比谷がオープン!~

日建設計が都市計画及び設計(基本設計・デザイン監修)を担当させて頂き、三井不動産が所有・運営管理を行う大規模複合施設「東京ミッドタウン日比谷」が3月29日グランドオープンしました。

日比谷公園より東京ミッドタウン日比谷を望む 日比谷公園より東京ミッドタウン日比谷を望む

日比谷一帯は、かつて日本の迎賓館として誕生した鹿鳴館が立地し、今日まで帝国ホテル、日生劇場、東京宝塚劇場をはじめとする大人のための社交場や華やぎのある文化芸術の街として発展してきました。また、日本初の洋風都市公園であり、都心の貴重なオアシス、音楽の聖地としても親しまれてきた日比谷公園にも隣接しています。そのエリアに、このたび、これまで育んできたエンターテインメント機能の継承・強化に加え、日比谷公園との緑の連続性や国際的なビジネスセンター機能を兼ね備えたミクストユース(複合用途型)都市「東京ミッドタウン日比谷」が誕生しました。

施設は商業、シネマコンプレックス、オフィス、カンファレンスなどによって構成されています。地下の日比谷アーケード、屋外の日比谷ステップ広場、3層吹き抜けのアトリウム、緑豊かな6階パークビューガーデンなどのパブリックスペースが各機能を有機的につなぎ、文化交流施設の集まるまちのにぎわいや情報発信の核となって、周辺施設も含めたエリアマネジメントや各種イベントが展開されることとなります。
防災機能の強化や環境負荷低減の取り組みに加え、増加する来街者のアクセス改善のため、地下鉄2駅をつなぐバリアフリー動線や周辺建物と接続する地下歩行者・駐車場ネットワークも整備されました。

 外装デザイン・ランドスケープはHopkins Architectsが担当しています。曲線を用いたフォルムと積層するテラス・広場の配置は、丸の内仲通りから帝国ホテルに抜けるにぎわい軸と皇居外苑から日比谷公園に連なる緑陰空間をゆるやかに結び、やわらかく人を受け入れる街並みを象徴したデザインとなっています。

日比谷ステップ広場 日比谷ステップ広場

  • 商業フロア内アトリウム 商業フロア内アトリウム

  • 旧三信ビルディングのデザインを再構築した 日比谷アーケード 旧三信ビルディングのデザインを再構築した日比谷アーケード

In the Park!
 
小嶋 隆(設計部門設計部長)
‘窓越しの緑が目に飛び込み、公園の中でミーティングやランチを楽しんでいる感覚‘ 
設計をスタートしてすぐに、公園と建物を一体的に考えるためにコンセプトモデルを制作しました。建物に屋上庭園や緑地だけではなくそれらを巡る園路をつくる。その園路が様々な用途を有機的につなげば、いままでにない複合建築ができるのではないかと考えました。
初めは‘City in the Park`でした。
「まち(複合建築)だけを考えるのではないから、Cityはいらないのでは?」と誰かが言った時、コンセプトワードが決まりました。
レストランディナーに行く前に、皇居を望む6階パークビューガーデンに立ち寄ってください。「東京ミッドタウン日比谷」と名づけられた理由を知ってもらえるでしょう。

検討初期のコンセプトモデル 検討初期のコンセプトモデル

日比谷らしさを最大限活かしたまちづくり
 
高田絵美(プロジェクト開発部門都市開発部主管)
日比谷は多様な歴史やポテンシャルを有するまちですが、プロジェクト関係者では日比谷らしさを「In the Park」「Entertainment」「Elegance」と捉え、それらの個性をハード・ソフト両面から最大限活かすまちづくりを目指しました。
ハード面では、公園のような心地よいオープンスペースを建物内外にちりばめ、園路のようにスペースを自然につなぎ、柔らかさの感じられる街並みやデザインを実現しました。またソフト面では、まちを育てていく自律的なエリアマネジメントの仕組みを導入しました。
地域、行政、クライアント、デザイナー、設計者、施工者など多くの方々と共に、10年以上に渡り長期プロジェクトに関われたことをとてもありがたく思います。
グランドオープンはプロジェクトの新たな始まりの日でもあります。たくさんの方が思い思いの時間を楽しみ、「東京ミッドタウン日比谷」がまちの新たな記憶として継承され続けていくことを願います。
 
広場を創出し、育てていく仕組みをつくる
 
湊 太郎(日建設計総合研究所研究員)
東京ミッドタウン日比谷では、いくつもの広場を計画しました。敷地を分断し、車が走り抜けていた22m幅の道路を付け替え、パブリックスペースへ転換させたことに始まり、歩行者専用道路・地下通路・アトリウム・屋上のガーデンなど、様々なシーンを創出する広場が、このまちの価値を高めてくれると考えました。隣接する日比谷シャンテの広場とも一体的につながり、人が中心のまちとしての活力を増していくことを期待しています。
また、そうしたパブリックスペースを使い続けるための仕組みとして、エリアマネジメントを導入しました。地域、行政、企業が三位一体で取り組んだまちづくりには、日比谷を新時代の芸術・文化の拠点へ発展させていく思いが込められています。ぜひ日比谷を訪れ、まちを感じ、楽しんでいただければと思います。
 
日比谷らしい華やぎある商業・シアター空間
 
松崎愛彦(プロジェクト開発部門ファシリティソリューション部主管)
多くの方々が訪れる施設低層部は、「劇場空間」というコンセプトのもと、華やぎのあるまちにふさわしい商環境デザイン、店舗やシアター等の機能配置、それらを巡る動線、パブリックエリアの使い勝手や安全性の確保に配慮した設計となっています。
日比谷アーケードは、旧三信ビルディングの保存部材を活用してアーケード空間を承継し、日比谷のまちの記憶を今に伝える工夫を凝らしています。シネマコンプレックスは、眼下に日比谷公園を見下ろす絶好のロケーションに二層吹抜けの贅沢なロビー空間を実現しています。映画鑑賞に勝るとも劣らない価値を体験できる空間ですので、是非訪れていただきたい場所です。
奇しくも私にとっては二つ目の東京ミッドタウンとなります。六本木にて醸成された東京ミッドタウンブランドが、日比谷でさらに輝いていくことを期待します。
 
様々なデザイナー、アーティストと共に繋いだ日比谷への思い
 
谷内啓太郎(設計部門設計部)
日比谷は公園や観劇、かつての三信ビルディングの柔らかな表情、日比谷シャンテのカーブなどなど、知れば知るほど魅力的な街です。その魅力を最大化して、できるだけたくさんの人々に届けたい。その思いは、プロジェクトに関係する人の輪が大きくなって、一体感が増していくにつれ、より強くなりました。
Hopkins Architectsをはじめ、集結したデザイナー、アーティストが、それぞれの個性と日比谷の特性を掛け合わせてデザインした街並みや空間は、どれも日比谷ならではです。デザインコーディネートをしていく中で、互いに刺激しあって、日比谷の魅力が日々増大していくプロセスはとてもエキサイティングでした。
日比谷は「何があるか」だけではなく「どんな街か」を伝えたくなる街になりました。訪れてくださる皆さんも、感じた魅力をありのままに、ぜひ誰かに伝えてみてください!!
 
まだどこにもなかった「現代の日比谷らしさ」を描く
 
森岡俊介(設計部門設計部)
東京ミッドタウン日比谷の設計は、2年以上にわたるコンセプトワークと並走で進めました。
「現代の日比谷らしさ」って何だろう?とクライアントと一緒になって、歴史や公園の先生の知見を聞き、いくつもの街を歩き、日比谷公園で語り合い、地元の店でお酒を飲み、毎日毎日皆で考えた結論は、「現代の日比谷らしさ」はまだどこにもない価値観だけど、「これって日比谷っぽいよね?」と価値観を共有できるチームはあり得るということでした。
それ以来、コンセプトブックをつくって共有し、全ての関係者(初めて話す方まで!)が「日比谷っぽいか、そうでないか」と考えて前へ進めるようになったのです。結果、飛び切り個性的でチャーミングな「現代の日比谷らしさ」を実現することができました。
皆が計画を通じて実現したかったものは、建築あるいは都市を超えて、ここに集う多くの方々の歓びや共鳴です。ぜひ次の週末、新しい日比谷を訪れてみませんか?
■「東京ミッドタウン日比谷」概要
建築名称         :東京ミッドタウン日比谷
建築主          :三井不動産株式会社
都市計画・基本設計・デザイン監修 :日建設計
主要用途         :事務所、店舗、文化交流施設、産業支援施設、駐車場等
敷地面積        :約10,700㎡
建築面積        :約8,700㎡
延床面積        :約189,000㎡
構造          :S 造一部SRC 造、RC 造
階数          :地上35 階、地下4 階、塔屋1階、
高さ          :約192m
駐車台数        :400 台
マスターデザインアーキテクト:Hopkins Architects
実施設計・監理     :KAJIMA DESIGN
施工          :鹿島建設
各種デザイナー     :オフィス共用部環境デザイン:イリア
             商業環境デザイン:乃村工藝社
             サインデザイン:井原理安デザイン事務所
             アートデザイン:堀木エリ子、和泉正敏、STUDIO SAWADA DESIGN、
             Nicolas Fedorenko(アートプロデュース:TOSHIO SHIMIZU ART OFFICE)

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