日建設計は、中国最大規模の交通ハブ「深圳市西麗総合交通ハブ」の国際コンペに当選しました。
駅とまちの境界を超える[TOD4.0]--深圳・西麗総合交通ハブ
私たちは、乗り換え空間の動線整理から都市レベルのつながりに至るまで、これまでの経験を凝縮し、また中国の実情に合わせて一つ一つ丁寧に計画に落とし込んでいきました。そして、これまでの既存のまちづくりのあり方を超え、「リボンシティ」というコンセプトにより、分断されていた駅とまちの連続と融合を図りました。
先進都市深圳に、新しいTODが芽吹き始めています。
TODコンセプトの進化
駅夜景鳥瞰
西麗ハブの三大理念
Vision01:新しい都市の大地
「駅とまちを隔てる境界をなくし、融合させることで、駅周辺都市の理想形をさらに進化させる。」
また、本計画は、三大戦略(CONNECT[つながり]、BLEND[融合]、BALANCE[調和])と17項目の設計原則を掲げるとともに、高速鉄道網の拡大を目指す国家戦略とTODを通じた都市発展を目指す深圳市の双方が協調する初の取り組みとなっており、Win-Winの関係実現を目指しています。
TOD4.0を実現する3つの戦略と17項の原則
容積率の移転による公共空間リソースの取得
駅北広場鳥瞰
駅東呼吸広場
駅東呼吸広場
駅西呼吸広場
駅東協調区
Vision02:都市のセンス・オブ・アライバル
「高速鉄道駅を都市の中心に創ることが長距離旅客者にとっての理想。それを、西麗高鉄駅で実現する。」
駅北広場と高鉄線路上待合室は西麗の最も象徴的なホスピタリティ空間となります。効率的で便利な動線と豊かな自然の風景は、西麗の“顔”として利用者を出迎え、旅の高揚感「センス・オブ・アライバル」を演出します。
駅南北断面図
駅北広場と駅舎
高鉄線路上待合室
駅北側乗り換え空間
駅北広場
Vision03:駅、まち、人と自然の融合
「深圳という先進都市で日々成長、生活し、奮闘する人たちへのプレゼント(リボン)になるような場を目指して。」
「リボンシティ」は「新しい都市の大地」「センス・オブ・アライバル」「駅・まち・人と自然の融合」の3つのコンセプトを軸に計画しています。同時に前海湾や大沙河の水系や植生と合わせて深圳のまちを囲む水と緑の循環を形成し、線路や駅舎による都市の分断を避けるため、地上地下に歩行者ネットワークを張り巡らせ、都市をつなぎ合わせます。都市の中でリボンのようにつながる交通動線や駅舎空間は、人々のアクティビティや深圳の気候などを考慮してランドスケープと一体的に計画されており、都心のオアシスであると同時に東西南北を有機的につなぐネットワークを形成します。
リボンシティ形成コンセプト
駅鳥瞰
リボンシティの設計コンセプト
リボンシティ・駅西側
リボンシティ・駅東側