PRESS RELEASE

オフィスワーカー 一人ひとりのCO2排出量・削減量を可視化し、環境行動を促すアプリケーション「Asapp」を開発
~建物改修ではなく、ユーザーの行動変容を促すアプローチで脱炭素を推進~

株式会社日建設計(本社:東京都千代⽥区、代表取締役社⻑:⼤松敦、以下「日建設計」)は、オフィスワーカー一人ひとりの仕事中のCO2排出量と削減量を可視化することによって、環境意識を醸成し、環境行動を促すスマートフォンアプリケーション「Asapp※1 (アサップ)」(特許出願中)を開発しました。2023年3月1日から日建設計東京オフィスにおいて、試験運用を開始します。
日建設計は、本開発を通して脱炭素社会を実現するための人と建物の新たな関わり方を提示します。また、行動変容が省エネルギーに有効な手法であることを確認し、カーボンニュートラルやワークプレイスの提案を通して社会貢献に役立てていく予定です。

図1. アプリケーションのイメージ

脱炭素社会を実現する人と建物の新たな関わり方

これまでの省エネルギーの多くは、温湿度や照度、在不在などに応じて空調や照明を最適に制御するものでした。既存建物においてこのような改修を行う場合には、外装や設備システムの更新など大掛かりな工事が必要となります。改修や維持保全資金が必要となり、誰もが容易に取り組めないのが実態です。一方、近年は一人一台スマートフォンを持ち、一人ひとりに情報を通知することができるようになりました。建物側の工夫だけでなく、望ましい建物の使い方を人に提示し、行動変容を促すことで、大規模な改修を伴わずに大幅な省エネルギーを実現できます。こうした人と建物の双方向の関係を構築するため、本アプリケーションを開発しました。

※1 アプリの言う通り「As app says」と、待ったなしの気候変動に対して自分たちができることからすぐに取り組んでいこうという意思「ASAP(As soon as possible)」からAsappと命名。

仕事中のCO2排出量・削減量を計算し、環境行動を提示

本アプリケーションは、オフィスワーカーに仕事中の一人ひとりのCO2排出量を表示し、環境行動を促す仕組みです。オフィス、住宅、サードプレイスなどの「働く場所」や、電車、車、飛行機などの「移動手段」の情報入力およびオフィス内のセンサーにより検知された位置情報にもとづき、オフィスワーカーの日々のCO2排出量を可視化します。

図2. アプリケーション画面のイメージ

またオフィスの在席状況に応じて、在席人数の少ないフロアから在席人数の多いフロアへの移動を通知により促し、無人になったフロアは空調・照明を自動で停止します。ワーカーがアプリケーションからの提案に従うことで、1人当たりのエネルギー使用量の低減がCO2削減量として換算されます。さらには、社内のカフェなどで利用できるポイントとして加算され、カフェにおける新たなコミュニケーションの機会も誘発します。

図3.環境行動を促す仕組み

 現在は日建設計東京ビルを対象とした構成で開発していますが、フリーアドレス制のオフィスを採用しており、位置情報システムを導入しているオフィスでは、本アプリケーションを利用することが可能です。

図4. 位置情報にもとづく環境行動通知、空調・照明停止の仕組み

継続開発と協創パートナーの募集について

本アプリケーションのオフィス内の多様な環境行動(階段移動など)を自動検出する機能や日々利用したくなるようなゲーミフィケーションの仕組みを継続して開発していきます。また環境意識を醸成する機能(ポイントの環境活動への寄付、購買、環境に関する記事のアプリ内配信など)を発展的に協創していけるパートナーを募集する予定です。

日建設計の脱炭素に向けた取り組み:
「設備機器の高効率化」×「環境行動」でカーボンニュートラルを目指す

日建設計は、2050年カーボンニュートラル社会の実現のために、都市と建築に携わる一員として2021年3月に気候非常事態※2を宣言しました。企業活動に起因する温室効果ガス排出を 2050 年にゼロとするための段階的な取り組みとして、東京オフィスではエネルギー使用量を2030年までに2013年比で40%削減することを目指して設備機器の高効率化を行っています。しかし、これだけでは限界があることが分かっています。職員一人ひとりの意識と日々の行動を通じて、建物の使い方自体を変えていかなければならず、本アプリケーションがその一助になると考えています。

図5. 日建設計東京オフィスのエネルギー使用量削減のロードマップ

日建設計について

日建設計は、建築・土木の設計監理、都市デザインおよびこれらに関連する調査・企画・コンサルティング業務を⾏うプロフェッショナル・サービス・ファームです。1900年の創業以来120年にわたって、社会の要請とクライアントの皆様の様々なご要望にお応えすべく、顕在的・潜在的な社会課題に対して解決を図る「社会環境デザイン」を通じた価値創造に取り組んできました。これまで⽇本、中国、ASEAN、中東で様々なプロジェクトに携わり、近年はインド、欧州にも展開しています。
お問い合わせ:株式会社日建設計 広報室 Tel. 03-5226-3030  e-mail:webmaster@nikken.jp

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