省エネ改修で、空調用熱源の光熱水費を年間で5億円(6割)削減
京都駅ビル
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京都で一番二酸化炭素排出量の多いビルからの脱却
京都駅ビル(1997 年竣⼯)は用途別の対統計値と比較して130%以上というエネルギー消費の非常に多いビルでしたが、2010年、省エネビルとして⽣まれ変わるための省エネ改修プロポーザルが実施され、⽇建設計が特定されました。
日建設計はこのプロジェクトのスタートから設計、施工、そして運用に至るまで、施主の技術コンサルタントとして、性能検証チームや施工者をトータルマネジメントし、予定工事費、予定工期内で、省エネ改修を実現しました。
ここでは、その後、どのような取り組みにより、6割もの光熱水費削減が実現したのか、簡単に解説いたします。
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京都駅ビル(1997年竣工)
⽇本最⾼学識者とのコラボレーション
このプロジェクトは、建築設備コミッショニング協会(京都⼤学 吉⽥治典名誉教授、東京電機⼤学 柳原隆司教授、東京⼤学 ⾚司泰義教授、⼤阪⼤学 下⽥吉之教授他)が省エネ性能の検証チームとなり、⽇建設計は、検証チームと共に知恵を出し合い、改修設計・監理を担当しました。
性能検証会議を、設計当初から現在も実施、省エネ改善を続けています。この取り組みは、国⼟交通省の「住宅・建築物省 CO2先導事業(平成 26 年度第 2 回)」に選定されています。
性能検証会議を、設計当初から現在も実施、省エネ改善を続けています。この取り組みは、国⼟交通省の「住宅・建築物省 CO2先導事業(平成 26 年度第 2 回)」に選定されています。
延床⾯積 238,555m2、設計は原広司+アトリエ・ファイ建築研究所
省エネ改修を営業ノンストップで実現
京都駅ビルは、蒸気主体の熱源ですが、東⻄に⻑い施設のため、⾼温蒸気から約 25%の熱が損失していることが推定されました。⼀⽅、照明 LED 化により、契約電⼒にゆとりが⽣まれていたため、蒸気を減らして、冷⽔をつくるのに最も効率の良いインバータ・ターボを主体とした熱源に切り替えることとしました。
改修に当たっては、綿密な事前調査を実施し、各⽉に必要な熱源能⼒を把握することで、トータル熱源容量を削減しました。その上で、熱源切り替え工事中には、その時に必要な熱源だけを稼働させながら、それ以外の空いたスペースを利⽤したリプレースにより、通常営業にまったく影響を与えることなく熱源更新することができました。
改修に当たっては、綿密な事前調査を実施し、各⽉に必要な熱源能⼒を把握することで、トータル熱源容量を削減しました。その上で、熱源切り替え工事中には、その時に必要な熱源だけを稼働させながら、それ以外の空いたスペースを利⽤したリプレースにより、通常営業にまったく影響を与えることなく熱源更新することができました。
インバータ・ターボを主体のシステムに改修
初年度で56%の省エネを達成!
改修後のエネルギー消費量は、春、夏、秋は概ね⽬標の 60%削減を達成することができました。一方、冬は50%程度であり、⽬標を達成できていませんが、今後、蒸気の温⽔化などで削減を図る予定となっています。
改修部分エネルギー消費量実績
老朽劣化更新費+性能向上のための投資金額
地下 3 階熱源機械室BIMモデル 改修イメージ