日建設計が設計・監理を担当させていただきました「YKK80ビル」が、BELS評価で最高ランクの5つ星を取得しました。
8月29日、日建設計が設計を担当させていただきました「YKK80ビル」(2015年6月竣工)が一般社団法人 住宅性能評価・表示協会が定める建築物省エネルギー性能表示制度であるBELS(ベルス)※ の評価で最高ランクである5つ星「☆☆☆☆☆」を取得しました。
建築主であるYKK 不動産様は、環境に配慮した経営・事業活動を積極的に進められており、グローバル企業であるYKK 株式会社とYKK AP 株式会社の本社が入居する「YKK80 ビル」においては、働きやすく快適な執務環境づくりをおこなうだけでなく、省エネルギー・省資源に優れた先進のシステムが積極的に導入されました。
YKK80ビルは、今回のBELS評価の他にも、今年2月に米国グリーンビルディング協会(USGBC)が開発・運用する環境に配慮した建物・エリア開発の世界的な認証システムであるLEED-CSにおいて、オフィスビルでは日本初となる「プラチナ認証」を取得しています。
日建設計では、かねてより環境配慮型建築の設計・監理を推進しておりますが、今後も、より環境に配慮し、社会に貢献できる環境、都市、建築づくりに努めてまいりたいと考えております。
©Rainer Viertlböck
■ 「YKK80ビル」 について
YKK80ビルは、災害に強く、省エネや快適性の向上を重視したロングライフビルとして計画されました。一般的なオフィスに比べ、約60%のエネルギー削減を目標に、省エネ・省資源に優れた「明るさ・人感センサー制御LED照明+タスク&アンビエント照明方式」、「中央熱源方式」、「外気冷房+外装シャフトのミスト設備」、「高性能コンセント設備」など、先進のシステムを導入しています。
また、地震に対する被害を最小限とする免震構造を採用し、この免震構造空間もクールヒートトレンチとして利用し、地中熱の有効活用を行っています。
更に「放射パネル+デシカント空調+微気流」による快適な執務環境づくりや、働きやすいオープンなワークプレイスとするなど、様々なアイデアを盛り込んだ、シンボリックで存在感のある機能的なデザインとなっています。
≪主な建物の特徴≫
1. 災害に強い構造と設備
2. 一般的なオフィスビルに比べ、約60%のエネルギー削減をめざす
3. 放射パネル+デシカント空調+微気流による快適な執務環境
4. 働きやすいオープンなワークプレイス
5. 新しい「顔」をつくる機能的なファサードデザイン
■「YKK80 ビル」の概要
名称 : YKK80 ビル
建築主 : YKK 不動産株式会社
所在地 : 東京都千代田区神田和泉町1
設計・監理 :株式会社日建設計
施工 : 鹿島・戸田・大和ハウス工業 建設共同企業体
規模 : 延べ面積 20,919.85 ㎡
建築物高さ:39.95m、最高部高さ51.05m
地下2 階、地上10 階、塔屋2 階
構造 : SRC 造、 S 造、 RC 造、 免震構造
工期 : 2013 年3 月~2015 年6 月
※BELS (Building-Housing Energy-efficiency Labeling System):
建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)第7条に基づく平成28年国交省告示第489号「建築物のエネルギー消費性能の表示に関する指針」(以下「ガイドライン」)に定められた第三者認証制度の1つです。
一般社団法人 住宅性能評価・表示協会に登録された登録BELS機関(2016年9月1日現在で65機関)が省エネルギー性能の評価・表示をおこなう制度であり、ガイドラインに基づく表示内容と併せ用途毎のBEI値(Building Energy Indexの略、設計一次エネルギー消費量を基準一次エネルギー消費量で除した値であり、省エネルギー基準に対する指数)に応じた☆数が表示されます。
YKK80ビルのような事務所用途建物においては、BEI≦0.6つまり省エネルギー基準を40%以上下回る場合、最高評価の「☆☆☆☆☆」(5つ星)となります。