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みどりと歴史に抱かれた国際色豊かな複合市街地へ ~東京ガーデンテラス紀尾井町がオープン!~

日建設計が設計を担当させていただいた複合市街地「東京ガーデンテラス紀尾井町」が7月27日グランドオープンしました。

東京ガーデンテラス紀尾井町 東京ガーデンテラス紀尾井町

  • 旧李王家東京邸を保存活用した 「赤坂プリンスクラシックハウス」 旧李王家東京邸を保存活用した「赤坂プリンスクラシックハウス」

  • 弁慶濠の桜と紀尾井タワー 弁慶濠の桜と紀尾井タワー

紀尾井町一帯は、豊かな自然と歴史を有し、地下鉄5路線が利用できる交通利便性の高い地域です。その玄関口であるグランドプリンスホテル赤坂跡地に、「東京ガーデンテラス紀尾井町」は立地しています。

施設はオフィス、ホテル、商業、カンファレンスからなる「紀尾井タワー」と賃貸住宅からなる「紀尾井レジデンス」、旧李王家東京邸(東京都指定有形文化財)を曳家・復原・免震化した上で、補完機能を増築した「赤坂プリンスクラシックハウス」によって構成されています。

計画地の東西約18mの高低差を活かし、基盤施設を地下に配置することで生み出された、地上の広大なパブリックスペースは、弁慶濠と清水谷公園をつなぐ「緑の軸」となり、皇居周辺の緑のネットワークをより豊かにしています。このパブリックスペースを中心とした歩行者ネットワークは、紀尾井町通りとプリンス通りをストーリー豊かにつなぐとともに、回遊性を高めています。

 二棟からなるタワーの外装はKohn Pedersen Fox Associates P.C.が担当しました。重箱をモチーフとしたデザインは江戸時代から続く地域の特徴を表現してます。
プロジェクトマネージャー
佐藤健(設計部門副代表設計部長)
紀尾井町とはその名の通り、徳川家の御膝元であることを表し、明主のみが居を構えることを許された地域でした。その歴史が脈々と受け継がれたこの場所を、更に進化させるという命題は難解でしたが、計画地が持つ「品と格を、未来につなぐ」という事業コンセプトに対して、まちづくり・建築計画として明快に答えられたと自負しています。
誰もが使えるパブリックスペースの創出のため、建築物を高層化して様々な用途を集積することは、昨今の大規模開発のトレンドです。本計画においてはそこにある全ての用途が求める機能を満たすようようプログラムを構築しました。また、計画地の大きな高低差の中で行われる従前高層建築物の解体、指定文化財の曳家保存、新築工事を合理的に進められるよう、設計段階から配慮を行った結果、この規模としては短い工事期間で完成を迎えることが出来ました。東京ガーデンテラス紀尾井町の素晴らしい門出と今後の発展を祈念いたします。
本計画の前プロジェクトマネージャーで志半ばに急逝した故・朝田志郎氏(日建設計設計部長)に、設計チームを代表してこの竣工を捧げたいと思います。
 
全体計画担当
松崎愛彦(プロジェクト開発部門ファシリティソリューション部主管)
都心の一等地における稀有な大規模開発であり、古くからの歴史を有する計画地が持つポテンシャルは計り知れず、これまで【赤プリ】を愛して下さった方々の期待を裏切らず、その魅力をさらに進化させることを目標にプロジェクトに挑みました。
これまでのホテルという、ある種閉ざされた敷地を、開かれたパブリックスペースとして生まれ変わらせることで、計画地やその周辺に存在する自然資源や歴史資源が繋がりを持ち、紀尾井町の賑わいの核となることを主眼に、都市計画~建築設計をまとめました。
広大な敷地は、その場所ゝで表情がうつろいます。都市の喧騒から人々の賑わい、豊かな自然による癒し空間を思い思いに活用して頂き、地域のシンボルとしてあり続けることを願います。
 
ホテル設計者
土屋 中(設計部門シニアエキスパート技師長)
旧グランドプリンスホテル赤坂は日本を代表する高層ホテルで、あこがれの存在でした。また、旧館(旧李王家東京邸)も紀尾井町のシンボルとして大変愛された建築です。さらに、開府以来の歴史が積層している場所でもあります。その記憶に加え新たに360度の首都の景観を最大限取り込んだ新鮮な体験をしていただけるホテルとしてザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町と赤坂プリンスクラッシクハウスが完成いたしました。ご利用いただいたお客様にとっての様々な新たな体験がこの場所での記憶になり、歴史としてさらに積層していくことになります。それは都市の花的存在としてのホテルの役割だと思っております。複合施設として足元の庭園が一般に開放されたことも魅力になっています。商業施設と合わせて都心の上質なパブリック空間を味わっていただけると幸いです。
 
皿海博章(設計部門設計主管)
かつて【赤プリ】の愛称で親しまれた旧グランドプリンスホテル赤坂の建て替え計画を設計するにあたり、プリンスホテルブランドの新たなフラッグシップとなるホテルをどのようにデザインするか、日本でのホテルを初めて手掛けるインテリアデザイナー:RGE(Rockwell Group Europe)とどのように協働作業を行っていくかを常に考えプロジェクトを進行しました。
“Levitation(浮揚感)”、“Framed Kaleidoscopic View(フレームにより切り取られた万華鏡のような眺望)”、“Nature in the sky(天空の自然)”をコンセプトに素材の質を厳選、洗練されたモダンなインテリアデザイン、職人たちの温もりが感じられる、唯一無二のインテリアを目指しました。
高層階ならではの素晴らしい眺望、ギャラリーの名を冠するに相応しい空間を感じていただければと思います。
 
オフィス設計者
犬飼良一(設計部門設計主管)
東京ガーデンテラス紀尾井町のオフィスエントランスは歴史を未来へ引継ぐ場としています。シンプルな素材とディテールを熟考し力強さの中に品格と歴史を織り込み「凛とした心地よい場所」としています。
1階は赤坂見附駅方面、2階は永田町駅方面と、異なるレベルをダブルデッキエレベーターにてオフィスへ直結し、また敷地内にタクシーベイ、空港へのリムジンバスターミナルなどを計画しており日本の中枢都市の立地を生かし高い利便性も兼ね備えています。
オフィス基準階は外壁側柱スパンを18m、配置は外壁よりセットバックを行い自由度の高い快適な空間作りをしています。工事期間中に、この外周部分でジョギングでもできたら最高に「心地よい場所」だなと思いました。
半屋外の開放的な商業空間と併せ、自然と歴史を感じ「心地よい場所」として愛着を持って頂けることを願います。
 
商業・旧館設計者
山内 暢(設計部門設計部)
圧倒される程の「緑」と豊かな歴史性を活かすことを設計の主題として、計画に関わった多くの方々と実現に取り組みました。
担当した低層廻りでは、商業の賑わいを外構に配された広場やアート、文化財でもある旧館(旧李王家東京邸)を有機的に結ぶことにより、広がりのある魅力的な「憩いの場」を目指しました。
主軸となる商業モールは弁慶濠に平行させ、各所の開口や吹抜で繋げることにより、豊かな自然環境を取込み、一体化させることで、歩みを進めるたびに異なる表情を感じられる空間としました。また建物の起源となる旧館は、保存改修・増築を行い、婚礼施設としてリニューアルすることで、その歴史を継承し、新しい「憩いの場」に感動と落ち着きをもたらせています。
他にはないこの場所に、多くの人が訪れて頂ければと思います。

建築名称         :東京ガーデンテラス紀尾井町
建築主          :株式会社西武プロパティーズ
設計監理         :日建設計
主要用途         :事務所、ホテル、物販店舗、飲食店舗、共同住宅、自動車車庫、
              駐輪場、防災倉庫、その他(会議室)
敷地面積        :約30,400㎡
建築面積        :約10,900㎡
延べ面積        :約226,200㎡
構造          :制震構造(オフィス・ホテル棟)、免震構造(住宅棟)
             S 造一部SRC 造、RC 造
階数            :地上36 階、地下2 階、塔屋2 階(オフィス・ホテル棟)、
             地上21 階地下2階(住宅棟)
高さ          :HGL約180m(オフィス・ホテル棟)
駐車台数        :468 台
各種デザイナー     :外装デザイン:Kohn Pedersen Fox Associates PC
             照明デザイン:Lighting Planners Associates Inc.
             ランドスケープデザイン:PLACEMEDIA
             住宅インテリア:㈱イリア
             ホテルインテリア:Rockwell Group Europe
             商環境デザイン:㈱丹青社

撮影
赤坂プリンスクラシックハウス:川澄・小林研二写真事務所
他:エスエス

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