建設プロジェクトのリスクを最小化し、
投資効率を最大化する
プロジェクトマネジメント手法
「TVD(Target Value Delivery)」とは

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急速に進む製品・サービスのライフサイクルの短期化は建設投資の大きなリスクとなっています。建設プロジェクトは様々な要求と制約が絡み合う複雑な事業で、企画から竣工・稼働まで事業期間も長期にわたるため、市場変化のスピードが速く先の見通しが難しい事業環境下での建設投資には大きなリスクが伴います。設計・工事を進めていくに従い、建設費が膨れ上がり、プロジェクトの見直しが必要になるという場面がたびたび起こります。

このようなことが無いよう、私たちは事業リスクを最小化し、投資効率を最大化する全く新しい建設プロジェクトマネジメント手法「TVD(Target Value Delivery)」を提案しています。

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TVDは設計開始前の事業初期に課題解決へのプロセスを見通すことにより建設プロジェクトのリスクを最小化し、投資効率を最大化します。市場変化のスピードが速いために、経済合理性を優先させなければならない生産施設・物流施設・データセンターなどの建設投資に極めて有効なプロジェクトマネジメント手法です。

TVD(Target Value Delivery)とは

製造業の原価企画の手法を
建設プロジェクト向けにカスタマイズした
新たなプロジェクトマネジメント手法


TVDは製造業の原価企画の手法を建設プロジェクト向けにカスタマイズしたプロジェクトマネジメント手法です。投資企画と同時にコスト検討を開始し、目標とするQCD(品質・コスト・スケジュール)を決定してから設計に入り、設計中もコストレビューを繰り返し行い、目標原価を実現します。TVDはこれを建設分野に応用したもので、近年世界的に導入が始まっています。従来方式では設計の結果としてコストを算出するため、目標コストと乖離してしまった場合には、設計のやり直しや、企画段階に戻って条件設定の見直しが必要になります。一方TVDは設計開始前(プレデザイン)に、目標とする品質とコストのバランスを同時に検討し、経済合理性を追求してから設計を開始するため、品質やコストが目標と大きく逸脱するようなことはありません。また、設計の後戻りがないため、設計期間や工事工期などリードタイムを短縮することが可能です。

プロジェクト初期での可視化・定量化により、精度の高い投資判断材料を提供する

事業早期にコストを確定するつもりで設計施工一貫発注を選択したにもかかわらず、計画を進めるにしたがって予期せぬ事業コスト増大するという事象が発生することがあります。TVDはそれらの課題を解決します。 

TVDによるプロジェクトマネジメントの流れ

プレデザインを起点化するTVDサービスのロードマップ

TVDはBIMを活用したプロトタイピングによる計画案の可視化と、コストモデリングによる事業コストの定量化により、プロジェクトの課題把握、合意形成、意思決定の精度向上と迅速化を支援します。徹底的な事業コスト(CAPEX・OPEX)縮減、過剰品質の抑制、早期収益化等の視点で設計要件を絞り込み、要求・制約を明確にし、事業目標を具体化したターゲットモデルを探索します。その後、可視化・定量化されたプロトタイプに基づいて経済合理性を追求した品質とコストの「ものさし」を作ります。TVDはプロジェクト初期での可視化・定量化により精度の高い投資判断材料を提供します。

設計施工一貫で曖昧になりがちな
構造・設備性能をプロトタイピング

プレデザインフェーズでBIMを活用したプロトタイピングによる計画案の可視化とコストモデリングによる事業コストの定量化を繰返し、設計施工一貫で曖昧になりがちな構造仕様・数量や設備仕様・数量を定義します。併せて早期収益化、CAPEX・OPEXの最小化のためのLCCシミュレーションを行い、徹底的な事業コスト縮減を実現します。さらにはリスクを最小化するためにBCPや脱炭素などの社会課題の解決にも配慮した精度の高いプロトタイプを完成させます。設計・施工者選定に向け、TVD計画書やTVD内訳明細書などの設計施工者選定用図書を作成します。条件整理から設計施工者の選定を行う段階まで、規模や建物用途によりますが、約3か月間で行います。

パートナーとなる設計・施工者は、
厳格で多角的な評価で選定

竣工までのパートナーとなる設計施工者の選定は重要です。コストはもとより設計施工技術力もプロジェクトにふさわしいレベルが要求されます。プレデザインで作成されたTVD計画書(設計施工者選定用図書)は、発注仕様や項目・数量・単価など事業コストの根拠が明確なため、公平性・透明性の高い厳格な設計・施工者見積比較検討が可能です。事業コストや設計・技術提案書を総合的に評価し、プロジェクトに最適な設計・施工者決定を支援します。 

設計・施工フェーズの変更を「ものさし」で管理し、コスト増大を防止

TVDは設計施工者が決定後も、設計・施工段階において品質・コスト・スケジュールを厳格に管理します。TVD計画書等により作成されたTVD内訳明細書は、設計、施工段階における設計変更等の「ものさし」となり、事業者からの追加要望や設計変更の管理を厳格に行うことが可能になります。これにより設計変更の透明性が担保され、コストの増大を防ぎます。 

建設コスト縮減の事例

プレデザインでのコスト縮減に加えて、価格競争により、当初の事業予算に対し工事費を35%圧縮。仕様や主要数量もTVD計画書で示しているので、安かろう悪かろうではなく、品質も確保したコスト縮減が可能になりました。 
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リードタイム短縮の事例

設計条件やリスクを予め明示することで、設計期間を短縮。設計施工者からの提案も柔軟に受け入れ、通常の設計施工の想定リードタイムより4ヶ月短縮できました。
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TVDを推進するには、
高度で幅広いエンジニアリング力が不可欠

現在、生産施設他複数のプロジェクトがTVDにて進行中で、事業者から高評価をいただいています。建設プロジェクトマネジメントの全く新しい手法であるTVDサービスは、国内では日建設計以外行っていません。TVDを推進するには、高度で幅広いエンジニアリング力が必要となるからにほか有りません。私たちが建築はもとより構造・設備・土木と幅広いエンジニアを有する「世界最大級のエンジニアリングファーム」であるからこそ、他社ではかなわない全く新しい建設プロジェクトマネジメント手法「TVD(Target Value Delivery)サービス」を提供し、事業者の建設投資リスクを最小化し、投資効率最大化実現を支援します。 

  • 小路 直彦

    小路 直彦

    上席理事
    企画開発部門

    1987年関西大学大学院修了後、日建設計入社。執行役員退任後2022年より現職。専門は建築不動産のプロジェクトコストマネジメント。経営課題とエンジニアリングを統合した新しい意思決定手法TVD(Target Value Delivery)により、顧客の事業投資リスクを低減して戦略的・効率的な設備投資効率最大化を支援している。経済合理性が最優先とされるアセットクラスにおいて、徹底した資本コスト縮減と事業の投資価値最大化を図るなど、中長期の顧客企業価値向上に寄与している。一級建築士。

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