コストマネジメントレポート
2020年4月号を掲載しました。
「新型コロナウイルス、日本経済に深刻な影響
民間建設投資大幅減により建設物価下落基調強まる見込み」
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「コストマネジメントレポート」(季報)は、国内外の経済情勢を概観し、設計事務所トップシェアの実績から得られる豊富なコストデータを活かし、中立的な視点での独自の建設市場分析結果をタイムリーにお伝えしていきます。
※本レポートは情報提供を目的として日建設計エンジニアリング部門コストマネジメントグループが作成しています。記載の内容等は作成時点のものであり、完全性を保証するものではありません。内容等は予告なしに変更する場合があります。
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新型コロナウイルス、日本経済に深刻な影響
民間建設投資大幅減により建設物価下落基調強まる見込み
建設業景況観(先行き) 大幅に悪化
実質GDP成長率 リーマンショック同等の大幅な落込み
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図1 業況判断DIの推移
資料:日本銀行「全国企業短期経済観測調査」 -
図2 実質GDP成長率の推移と予測
資料:内閣府「四半期別GDP速報」
国際通貨基金(IMF)2020年4月「世界経済見通し(WEO)」
民間非住宅建設投資・受注高が大幅に減少
建設物価の下落基調強まる
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図3 民間非住宅建設投資の推移と予測
資料:国土交通省「建設投資見通し」より作成
※2020・21年度予測は、2008~2010年の減少と同等と想定し試算 -
図4 消費者物価指数CPIの推移と予測
資料:日建設計「NSBPI」、総務省「消費者物価指数」
日本経済研究センター「コロナ危機を恐慌にはしない」
受注高の伸び悩みが価格下落基調を強める
大手建設会社の財務状況 バランスシートは大幅に改善
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図5 第3四半期の建築受注目標達成率
資料:各社決算資料より作成
※竹中工務店は四半期毎の数値を公表していないため、比較対象外とした。
※長谷工コーポレーションは比較対象外とした。 -
図6 大手5社受注額・自己資本比率推移
資料:建設経済研究所「主要建設会社決算分析」より作成
国内外の鋼材需要の急減 鋼材価格下落基調に拍車
また、国内鋼材需要の見通しも暗い。2020年度の建設用鋼材需要は、土木は災害復興に加え国土強靱化政策など老朽化した社会インフラの更新などが、建築は都市再開発プロジェクトの継続などが見込まれるも、新型コロナの影響により前年度を大きく割り込むと予測される(図7)。
NSBPI(日建設計標準建築費指数)
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図7 国内建設用鋼材需要(建築・土木)の推移と予測
資料:日本鉄鋼連盟「普通鋼鋼材用途別受注(内需)」より作成
※2019年度:4~12月は実績値。1~3月は前年度の比率より算出
※2020年度:2008年度から2009年度の減少率から算出 -
図8 NSBPI推移
※関西圏、東海圏は2010年第3四半期から