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世界一の施設を実現できた理由
科学技術は常に新たな領域・今まで見たこともないもの(こと)を希求する。その姿勢は、科学技術を扱う建物についても同様である。
厳密に制御された温湿度、電磁的ノイズから隔絶された空間、徹底したコンタミネーションの抑制。日建設計は、シビアで前例のない数々の設計条件に直面してきたが、それらに答えを出し、「世界一」と言われる多くの施設を実現してきた。実現できた理由は、日建設計のブリコラージュとエンジニアリングの姿勢にある。

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RELATED EXPERTISE

BricolageとEngineering

世界一の技術を開発あるいは取り扱う施設を設計することは、今までにないものを作ることであり、設計条件も目標性能も今まで見たことがない内容となる。その場合、手持ちの知見や技術はそのままでは役に立たず、「あれもないし、これもない」状況となる。そのような状況において求められるのはブリコラージュ的アプローチである。
ブリコラージュ(bricolage=器用仕事)は、「雑多な要素からなり、かつたくさんあるとはいってもやはり限度のある材料を用いて自分の考えを表現すること」であり、「今まで集めて持っている道具と材料の全体をふりかえってみて…いま与えられている問題に対してこれらの資材が出しうる可能な解答をすべて並べ出して…しかるのちその中から採用すべきものを選ぶ」ことである。
端的には、「あれがないからできない」という言い訳ができない状況において適切に対処できること、と理解される。ブリコラージュ的アプローチに必要なことは、日頃から身の回りの情報や素材を注意深く観察することであり、いつか役に立つかもしれないものを手元においておくことであり、創造性と機知である。
一方、ブリコラージュと対をなす言葉はエンジニアリングである。これらは対照的な振る舞い方ではあるが、C・レヴィ=ストロースは「人智の発展の二段階ないし二相ではない。なぜならば、この二つの手続きはどちらも有効」と述べている。
設計行為に当てはめてみれば、世界一を実現する最終的な推進力はエンジニアリングであるけれども、そこへ至る過程にはブリコラージュ的アプローチが必要、と言い換えることができる。
科学技術は常に新たな領域・今まで見たこともないもの(こと)を希求する。今までは、加速器、超高速コンピュータ、バイオテクノロジーなどの分野でその活動が顕著であった。これらに加えて今後は、 Industrie 4.0、IoT、AIの分野においても新しい領域、見たことのない技術が登場し、それと同時に、世界一あるいは世界初と言われる施設が求められると想像される。
日建設計は、ブリコラージュとエンジニアリングの両面から今後も世界一・世界初に挑む。
(引用:C・レヴィ=ストロース、野生の思考、みすず書房、1976)

iDC(Internet Data Center)の温度分布シミュレーション iDC(Internet Data Center)の温度分布シミュレーション
iDC事業者は、ITラック周辺の温度分布が良好に維持されることをテナントに説明する必要がある。

加速器施設の気流・温度分布シミュレーション 加速器施設の気流・温度分布シミュレーション
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建物陽圧と室内陰圧を両立する

加圧遮蔽壁検討モデル

 屋外環境汚染地域で安全確保が必要な施設、外気侵入が分析・測定精度へ影響する施設では陽圧化が必要とされる。一方、建屋内部に管理区域が設置される研究施設は負圧維持が必要となる。外壁等の加圧層を設け外気の侵入防止と内部の封じ込めを同時に行う手法が求められる。 (高次兼司)
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>高次兼司

iDCにおける最先端省エネ技術とリスク対策を知る

熱交換器を介し、蒸発潜熱を利用して還気を 冷却。寒冷地では完全チラーレスが実現可能

海外のiDCにおける先端的空調システム
サーバー室内の高温環境(給気:28℃、還気:38℃)を前提としたデータセンター専⽤設備が開発され、欧⽶で普及しつつある。日本での開発、採用をめざして事例を調査した。(梅村俊輔)
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>梅村俊輔

電力ピーク制御&スケジュール設定の組み合わせで高度な電力抑制運転が可能

iDCにおける先端的省エネルギー対策
増え続けるサーバー利用に対して更なる省エネを実現するための情報システムと建築設備とが一体となった対策とは何か。BEMSとの連動による電力ピーク制御やサーバーラックと空調システムの一体化などにより省電力を探る。(安斎 幹)
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火山噴火による降灰リスク対策

火山灰は重大なリスクの要因
日本には約110の活火山があり、中でも富士山の噴火はリスクが高いと言われて久しい。富士山が噴火した場合は、火山灰は偏西風の影響により首都圏に降り積もると言われている。このリスクに対しても対策を打つ必要がある。(内藤慎太郎)
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>内藤慎太郎

空気感染を防止する

最適な自動差圧モニタリングシステムの調査

 医療施設において、空気感染患者を陰圧環境に隔離することは最も有効な感染制御対策である。微差圧の日常管理が必須であり、安価で正確な差圧モニタリングシステムが求められている。(伊藤 昭)
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>伊藤 昭

交通施設の空気をきれいにする

交通施設における臭気と粉塵の課題

 飛行機や車の排ガスなど臭気や有害物質等に囲まれている交通施設において、排ガスによる健康被害を抑制することを目的とした対策方法を調査した。例えば、バイポーライオン発生装置を導⼊することによって、じんあい、臭気、VOC、細菌、アレルゲンなどの抑制が可能となる。 (土田えりか)
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Industrie4.0における設計条件を探る

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研究所の稼働状況を知る

研究所の局所排気装置の稼働状況

 研究施設の局所排気装置の稼働状況を把握し、マニホールドシステムの最適な設計に生かすことを目標として、調査を行った。(牛尾智秋)
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>牛尾智秋

このIdeasは、設備設計グループに所属する約200人のメンバーひとりひとりが、毎年1年をかけてアイデアを提案する活動「ID200」の中から生まれたものです。

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