200人が、クリエイティブの種をまく

設備設計グループによる「ポスターセッション」の試み

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2015年12月11日、日建設計社内で、設備設計グループによるポスターセッションが開催されました。設備設計グループとは、建築における空調・電気・照明・音響・水まわりなどの設備設計を幅広く担当するセクションです。単に設備の設計というだけでなく、環境や健康などの課題へ解決策を出すことも重要な担当業務になります。

同グループの約200人の社員ひとりひとりが1年かけて考えた、約150個のアイデアがそれぞれA2サイズのパネルに展示されている光景は壮観です。パネルの前では、発案者がそのアイデアを意気揚々と説明しています。聴き手は、あらかじめ共有されていた資料を元に、説明を聞きたいパネルの元に向かうのです。
丁々発止のやりとりがあちらこちらで繰り広げられ、熱気があふれていました

ひとりの天才のアイデアより、200人の気づき

このポスターセッションは、2015年から始まったもので、今回がまだ1回目です。なぜこのような試みが実施されたのでしょう。
設備設計グループ代表の堀川晋は、その意図を以下のように語ります。

「日建設計の一番の資産は“人”です。社員ひとりひとりが知的生産力を高めていかないと未来はありません。グループに所属している約200人の社員全員が、直接は今の仕事とは関係のない新しいアイデアを考えることで、ひとりひとりの知的生産力が向上します。また社員同士の刺激や気づきにもなります。もちろん社員の活性化だけでなく、会社として大きなビジネスに発展するかもしれない“クリエイティブの種”をまいている、という意識も当然あります」

さらに堀川は、みんなでアイデアを出しそれが集積されていく意義をつけ加えます。

「トップがアイデアを出し、全員を引っ張っていくという手法はもう時代遅れかもしれません。『1人のひらめきより、200人の気づき』の方が、生活者が感じている問題に対する答えが得られる可能性が高いでしょう。それは結果としてクライアントの満足につながります。このプロジェクトは、その可能性を実証しようとしているのです」

変わる「エコの切り口」

ここからは、200のアイデアのうち、参加者投票で人気があったものを紹介します。

・女性にやさしいオフィスの水廻り
水廻りにテーマカラーや音響設備を取り入れるなどして、女性のココロとカラダを浄化し充電できるような空間にする、というアイデア。

・電流波形解析による電力量の機器別分離技術の業務用建築への応用 
タイトルは難しいですが、簡単にいうと、ビルの消費電力量を計るメーターを減らしてひとつにまとめる、というアイデア。

・快眠環境と新しいオフ空間の提案
病院やホテルなどで、最適な睡眠環境を提供するために、空調・光・音・湿度などを設計技術により向上させる、というアイデア。

他にも、いろいろな角度から、さまざまなアイデアが出ました。全体的に感じるのは、環境問題やエコに関する切り口が大きく変わってきているということです。ひと昔前は、エコというと地球温暖化に注目が集まっていました。しかし現在は、健康・睡眠・水環境など、個人にベネフィットがある要素も注目されているのです。

数年後、このポスターセッションからうまれたアイデアの種が、実際に芽をふき、成長し、花が開き、大きな果実をみのらせる日がきっと来るはずです。

  • 堀川 晋

    堀川 晋

    執行役員
    エンジニアリング部門 設備設計グループプリンシパル

    1984年に早稲田大学建築(環境工学)修士課程を修了、日建設計に入社。神戸税関、奄美病院(JIA環境建築賞)、関電ビル(サステナブル建築賞、JIA環境建築賞、空気調和・衛生工学会技術賞)など、建築計画と融合することで卓越する、環境・設備デザインを常に目指している。近年は、東京エリアの大規模オフィスプロジェクトに多く携わる一方、近代建築のリニューアルなどにも取り組んでいる。また、大阪大学、早稲田大学、慶応大学での非常勤講師の実績がある。

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