コストマネジメントレポート
2025年7-9月号を掲載しました。
「労務・施工能力の需給ギャップは依然継続 一部に潮目の変化を見極める動きも」
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「コストマネジメントレポート」(季報)は、国内外の経済情勢を概観し、設計事務所トップシェアの実績から得られる豊富なコストデータを活かし、中立的な視点での独自の建設市場分析結果をタイムリーにお伝えしていきます。
※本レポートは情報提供を目的として日建設計 設計技術部門コストマネジメントグループが作成しています。記載の内容等は作成時点のものであり、完全性を保証するものではありません。内容等は予告なしに変更する場合があります。本レポートの無断転載を禁じます。
CATEGORY
労務・施工能力の需給ギャップは依然継続
一部に潮目の変化を見極める動きも
建設用材料価格は横ばい
労務の需給ギャップは拡大
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図1 材料価格の推移
⽇本銀⾏「企業物価指数」より作成。
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図2 14年度と24年度の職業別有効求人倍率
厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」より作成。
施工能力の需給ギャップは高止まり
完成工事利益率の期首予想と実績の差が縮小
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図3 大手・準大手ゼネコンの手持ち工事月数の推移
各社決算資料より作成。
手持ち工事高÷年間売上高(3年度後方移動平均)×12ヶ月にて算出。 -
図4 大手ゼネコン4社の平均完成工事利益率の推移
各社決算資料より作成。
前期比上昇率は各地区とも2%台に
日建設計標準建築費指数NSBPI*3
建築工事は、仮設、コンクリート、一部仕上工事は上昇継続するも勢いは弱まり、鋼材類は下落が見られる。設備工事は、需給逼迫が続くもとで、労務費、専門工事費、経費率が前期同様上昇したことに加え、一部設備機器における新年度価格改定の見積への即時反映も上昇要因となった。諸経費率の漸増も総合指数の上昇に影響している。
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図5 NSBPIの推移
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図6 NSBPIの増減率と建築・設備の寄与度
24年の労働投入量は減少 人数・時間とも減
ドル建てNSBPIも上昇
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図7 労働投入量(=就業者数×就業時間)の推移
総務省「労働力調査」より作成。 -
図8 NSBPI(ドル建て)の推移
日建設計資料、日本銀行「為替相場」より作成。
ドル建ての指数は2008年9月の為替レートを基準に試算。
*2:安藤ハザマ、熊谷組、五洋建設、東急建設、戸田建設、西松建設、前田建設工業の7社。
長谷工コーポレーションは他社に比べマンション分野の比重が大きいため対象外とし、
三井住友建設は25年度の業績予測が非公表であったため対象外とした。
*3:日建設計標準建築費指数 NSBPI:
日建設計が独自に算出している建設物価の値動きを示す指数。標準賃貸オフィスを数量モデルとして、
独自調査により把握した実勢価格を随時反映させた工事価格を算出し指数化したもの。
第1四半期は1~3月、第2四半期は4~6月、第3四半期は7~9月、第4四半期は10~12月を示す。