コストマネジメントレポート
2023年1-3月号を掲載しました。
「建設物価の伸びが拡大 堅調な受注と持続する資材価格上昇が要因」
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「コストマネジメントレポート」(季報)は、国内外の経済情勢を概観し、設計事務所トップシェアの実績から得られる豊富なコストデータを活かし、中立的な視点での独自の建設市場分析結果をタイムリーにお伝えしていきます。
※本レポートは情報提供を目的として日建設計 設計監理部門コストマネジメントグループが作成しています。記載の内容等は作成時点のものであり、完全性を保証するものではありません。内容等は予告なしに変更する場合があります。本レポートの無断転載を禁じます。
CATEGORY
建設物価の伸びが拡大
堅調な受注と持続する資材価格上昇が要因
堅調な受注高
競争案件と特命案件の価格差が縮小
*1:平均乖離率:見積金額が予定価格からどれだけ上振れた(下振れた)かを示す乖離率について、年毎に各案件の乖離率を平均した値。
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図1 大手50社の建築受注高の推移
国土交通省「建設工事受注動態統計調査(大手50社調査)」より作成
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図2 価格競争案件と特命案件の平均乖離率
日建設計資料より作成
資材価格の上昇が続く
販売価格・仕入価格ともに上昇するも乖離が拡大
需給ギャップの引き締まりやインフレマインドの浸透など原価上昇を工事費に転嫁しやすい状況が続くと、今後も建設物価の上昇が続く可能性が高い。
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図3 企業物価指数の推移
日本銀行「企業物価指数」より作成 -
図4 販売価格・仕入価格判断DI︓建設業・大企業
日本銀行「全国企業短期経済観測調査」より作成
建築・設備共に再び価格上昇圧力が強まる
日建設計標準建築費指数NSBPI
建築、設備共に様々な工種で価格が上昇した。特に昨今調達が厳しい設備工事や鉄骨工事の上昇圧力が高まっている。
施工会社は、多くの手持ち工事に加え受注も好調であるため、上昇圧力が強い工種の価格転嫁が継続する可能性が高い。
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図5 NSBPIの推移
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図6 NSBPIの増減率と建築・設備の寄与度
生コン価格が上昇
労働者不足感は高い水準で推移
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図7 生コン価格の推移
経済調査会「積算資料」より作成 -
図8 建設技能労働者過不足率の推移
国土交通省「建設労働需給調査(8職種計・全国・季節調整値)」より作成