コストマネジメントレポート
2023年10-12月号を掲載しました。
「資材価格は高止まり、労働供給制約は依然厳しい状況 堅調な需要の下支えにより建設物価は上昇傾向が続く」
Scroll Down
「コストマネジメントレポート」(季報)は、国内外の経済情勢を概観し、設計事務所トップシェアの実績から得られる豊富なコストデータを活かし、中立的な視点での独自の建設市場分析結果をタイムリーにお伝えしていきます。
※本レポートは情報提供を目的として日建設計 設計監理部門コストマネジメントグループが作成しています。記載の内容等は作成時点のものであり、完全性を保証するものではありません。内容等は予告なしに変更する場合があります。本レポートの無断転載を禁じます。
CATEGORY
資材価格は高止まり、労働供給制約は依然厳しい状況
堅調な需要の下支えにより建設物価は上昇傾向が続く
建設物価の上昇要因は資材価格上昇、労働供給制約、堅調な需要見通し
資材価格は上昇の勢いに一服感
-
図1 工事別NSBPIの前年同期比
日建設計資料より作成
-
図2 図1の上昇要因内訳
日建設計資料より作成
材料にはダクト工費を含む
-
図3 建築資材の物価指数の推移
日本銀行「企業物価指数」より作成
人手不足、24年問題などによる労働供給制約が続く
堅調な建設需要見込みが物価の押上げ圧力を強める
-
図4 建設業の一日あたりの賃金の推移
厚生労働省「毎月賃金統計調査(事業所規模5人以上)」より作成。
所定内給与÷所定内労働時間×8時間+特別に支払われた給与÷出勤日数より算出 -
図5 実質建設投資(民間建築)の推移
国⼟交通省「建設投資⾒通し」、建設経済研究所「建設経済モデルによる建設投資の⾒通し」より作成
総合指数の上昇が継続
日建設計標準建築費指数NSBPI*1
建築工事は仮設、鉄骨、生コン、仕上工事などが上昇。設備工事は、労働供給制約による労務費や専門工事価格の上昇が影響した。諸経費率も上昇しており、上昇の勢いは依然として強い(図7)。
-
図6 NSBPIの推移
-
図7 NSBPIの増減率と建築・設備の寄与度
24年問題により4週8閉所への対策が加速
円安によりドル建てでみるとNSBPIは横ばい
-
図8 4週8閉所の比率の推移
日本建設業連合会「週休二日実現行動計画2022年度通期 フォローアップ報告書」より作成 -
図9 NSBPI(ドル建て)の推移
日建設計資料、日本銀行「為替相場」より作成
ドル建ての指数は2008年9月の為替レートを基準に試算
日建設計が独自に算出している建設物価の値動きを示す指数。標準賃貸オフィスを数量モデルとして、
独自調査により把握した実勢価格を随時反映させた工事価格を算出し指数化したもの。
第1四半期は1~3月、第2四半期は4~6月、第3四半期は7~9月、第4四半期は10~12月を示す。
*2:2024年4月から建設業・物流に時間外労働上限規制が適用される問題