INTERVIEW
#30
静かに情熱を燃やす
アニメ大好きなデジタルデザイナー
銭 イーエン
YIYUAN QIAN
設計技術部門 テックデザイングループ2020年入社 新卒入社
工学系研究科 建築学専攻 修了
私が日建設計を選んだ理由
中国の大学で意匠設計を学び、大学院進学を機に来日しました。意匠設計は正解がないアート寄りの世界だと感じ、より客観的・定量的なアプローチからデザインを学びたいと考えデジタル系の研究室に所属しました。日建設計は「日本の建築領域でデジタルデザインをやりたいなら、日建設計のDDL(デジタル・デザイン・ラボ)がいい」という話を研究室で聞き、実際に調べてみると、自分がやりたいことができる環境と感じ入社を決めました。
現実×仮想=新たなリアリティの体験
「XR STUDIO」から
プラスαの価値を発信
所属するDDLは、「建築とテクノロジーのかけ算によって生み出す新しい価値」をテーマに、コンピューターを中心としたICTを駆使したリサーチおよびデザインを行うチームです。具体的には、人々により豊かな体験を届けることを目指し、デジタル技術を活用した体験設計やツール開発、映像制作、システム構築などデジタル技術を用いた実装を幅広く担当しています。空間体験をデザインするという建築的視点を軸に、「体験づくり」を建築の領域から探求しています。私の担当の一つに、日建設計東京ビル内に設置された「XR STUDIO」があります。XR STUDIOは、現実と仮想の「あいだ」の空間を体験できるスタジオです。建築設計の検討だけでなく実験的空間としての役割もあり、社内外へ日建設計のデジタル技術を発信し、プラスαの価値を提供できるところにやりがいを感じています。
他部署と協働して進めたプロジェクト
メンバーから受ける影響が
学びと成長の源
デジタル技術は急速に進化しています。したがって、常に技術・情報のインプットとアウトプットを継続していくことが求められます。業務と並行して学習し続けること、それ自体が自身の成長に直結していると感じています。最近、自らチームを立ち上げプロジェクトを進める機会がありました。普段は交わることがない、他部署のメンバーと連携・協働して進めたプロジェクトです。参加メンバーが発信する、これまで考えたことがない視点や手法、発想に出会い、毎回の打ち合わせでは新鮮な刺激を受けましたし、日建設計という組織には、本当に多様で多彩な才能を持った人がいることを改めて認識しました。その一人ひとりから受ける影響が、自分にとって大きな学びと成長の源になっています。また、入社5年目で初めてチームを立ち上げる機会を得たことは、自身にとって大きな節目になった取り組みでした。
建築とデジタルの融合によって
質の高い豊かな体験づくりを追求する
近年、ブロックチェーンやメタバース、AIなど、デジタルに関するキーワードが次々と生まれています。そうした時代の中で、建築や都市の課題は技術そのものではなく、人と人との関わり方や体験の質に深く関わっていると感じています。建築はもともとシェルターとして始まり、その後、建築家たちは空間の品質や豊かさを追求し続けてきました。デジタル手法も同じように、単なる効率化の道具にとどまらず、人々の体験を拡張し、豊かにするための「触媒」として進化すべきです。今、設計事務所で「どのように豊かな体験を届けるか」「人々はどのような体験を求めているか」という課題に日々向き合えること自体が、とても贅沢で意義のある仕事だと感じています。物理空間(建築)と情報空間(デジタル)の境界を溶かし、質の高い豊かな体験づくりに取り組んでいきたいと考えています。
学生時代の私
学生時代は、「技術力こそが全て」と信じ、デジタルファブリケーション関連の技術を磨くことに没頭していました。今振り返ると視野が狭かったと思います。日建設計に入ってからは、個人の限界を超え、チームで挑むことの大切さを学び、考え方が大きく変わりました。
OFFの日の私
休日は、アニメやゲーム関連のイベント・展示、または最新技術を取り入れたメディアアートの体験に足を運ぶことが多いです。作品そのものだけでなく、その制作過程や舞台裏を通して、クリエイターがどのような情熱やアプローチで作品を構築したのか、そのプロセスを知ることが楽しく、仕事の刺激にもなっています。